今回は「口座凍結」の話です。
金融機関に預貯金がある人が亡くなると預貯金口座が凍結され、入金や出金ができなくなるだけでなく振込、記帳も制限されることになります。
相続をめぐるトラブルを防ぐための措置ですが、そうなると葬儀費用や当面の支払い等の生活費に困ることにもなりかねません。
しかも凍結された口座の解除には相当の手間がかかります。
そこで遺産分割が終了する前でも凍結口座から現金を引き出せる「相続預金の払戻」制度があることを覚えておきましょう。
この払戻の手続きには次の2つの方法があります。
1)金融機関で直接手続きを行う(一金融機関につき150万円が上限)方法
2)家庭裁判所で手続きを行う(金額上限なし)方法
本人確認書類等の必要書類を揃えたり払戻限度額があったりしますが、知っておいて損はない制度です。
ではどんなときに口座が凍結されるのでしょうか。
死亡届を出すことによって口座が凍結されると思っている人が多いが、役所が銀行に死亡の事実を通知するということはありません。
簡潔にいえば「銀行が名義人の死亡の事実を把握したとき」に凍結されます。
具体的には
1)相続人等のうちの誰かが銀行に死亡したことを通知したとき
2)新聞の訃報欄や町内会の掲示板、有名人の場合はニュースなどで、銀行が被相続人の死亡の事実を知ったとき
などです。
いざというときに慌てないように、
「口座凍結の可能性がある人の利用している銀行と通帳・印鑑の保管場所」
を把握しておくようにしましょう。